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後鼻漏について

鼻の奥に鼻汁が引っ掛かっている感じがする、鼻汁が鼻から喉に流れこんでくるという症状を訴えて来院される患者さんがいらっしゃいます。この症状を「後鼻漏」と呼び、私自身も風邪の時などによく経験しますが、かなり長期間に渡って苦痛を感じている方も少なくありません。

鼻の中は手足の皮膚と違って、常に分泌物で潤されていますので、それが喉に流れてくること自体は生理的な現象であり、必ずしも病的なものではありません。この分泌物は鼻の粘膜にある鼻腺という組織で作られており、吸い込んだ空気の加温・加湿に役立つ他、細菌やほこり、有害物質などに対する防御の働きがあると考えられています。

一方、鼻の粘膜の細胞表面には繊毛と呼ばれる細かい毛が生えており、まるでベルトコンベアのように1分間に約1㎝のスピードで鼻の奥へと分泌物を送り込んでいます。その量は1日に1リットル程度とも言われていますが、通常は規則正しく、喉の方に送られているので、我々は知らず知らずのうちに飲み込んでいるとされています。

では、何故「後鼻漏」を意識するようになるのでしょうか?その原因は、大まかに言って、分泌物の量と、それを喉に送り込む繊毛の輸送力のバランスが崩れるためといってよいのではないかと思います。例えば風邪などで鼻粘膜に炎症が起きると、鼻腺からの分泌量が増加するとともに、それを規則正しく喉に送り込む繊毛の働きが低下するので、分泌物が鼻の中に溜まりやすくなってしまい、その結果「後鼻漏」を強く感じるようになるというわけです。また、副鼻腔炎(蓄膿症)では副鼻腔に溜まった膿汁が鼻の中にあふれて流れてくるので、分泌物の量と粘性が増加します。さらに上咽頭炎では、鼻の突き当りの部分に炎症が起きているので、後鼻漏を敏感に感じやすくなると同時に、上咽頭粘膜からの分泌物が増加するために、より一層、症状を強くしてしまうのではないかと思われます。一方、空気の乾燥などで鼻粘膜が乾いた状態になると、繊毛の運動が悪くなると同時に、分泌物の粘性(粘り気)が増すので、より輸送されにくい状態になります。昔の研究で障害を与えた鼻の粘膜に生理食塩水を噴霧すると、絨毛の輸送力が改善するという報告があります(正常な働きまでには回復しないそうです)が、これも鼻粘膜の乾燥による悪影響を裏付けるものと考えられます。その意味では充分な水分摂取と部屋の加湿が重要ではないかと思われます。

風邪による後鼻漏は、炎症の原因となっているウイルスが死滅し、障害を受けた鼻粘膜が自然に修復されていく過程で徐々に改善していくことが多いのですが、副鼻腔炎や上咽頭炎を合併していると症状が長引いてしまいます。また、副鼻腔や上咽頭に癌などの腫瘍ができることで、症状が強くなる場合もあります。「後鼻漏」自体は生理現象であることも多いのですが、膿汁や血液が混じるような場合には、一度耳鼻科で検査を受けられた方が良いと思います。

耳鼻咽喉科いのうえクリニック

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